プログラミングを学び始めた猫田さんと牛山くん。彼らには、まだまだ知らないことがたくさんあるようです。

プログラミング言語っていっぱいあるじゃん? なにを勉強すればいいのか、よくわからないよね



そうですね。簡単に習得できるものを学ぶのも1つの手だけど……どうせなら需要が高いものを身につけたいですよね。でも、どのプログラミング言語の需要が高いのか……猫田さん、知っていますか?



わたしが知っているわけないじゃん



そう、ですよね……
システム開発に利用するプログラミング言語は、日々変化しています。近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)、AI、IOT(インターネットオブシングス)など開発対象が多様化していますね。
そこにキャニット先生がとおりかかりました。



話が聞こえてきましたよ。ちょうど現役ITエンジニアのみなさんに、システム開発にどんな言語を使っているのかアンケートしたので、そのアンケート結果を紹介しましょうか



おっ! 現場の生の声が聞けるのか



アンケートでは、普段システム開発に使用しているプログラミング言語を3つまであげてもらいました。それでは、アンケート結果を見ていきましょう
1位:C言語



第1位はC言語で回答者440人中136人が使っています。



C言語って聞いたことありますね。 どんなプログラミング言語なんですか?
C言語は、1972年に開発されたコンパイル型プログラミング言語です。コンパイル型とは人間が書いたプログラムをコンピューターが理解できる形式に変換してくれるプログラミング言語です。歴史は長いですが、いまだに人気が根強く、コンピューターの深い部分を制御できる数少ない言語の一つです。
習得すればロボットやソフトウェアなど幅広く活躍できる言語です。組み込み機器や処理速度が求められるシステムに利用されていることが多いです。



んんー なんかイメージしづらいなぁ



身近なところだと携帯電話や家電製品ですね



んんー 携帯とか電化製品にもプログラミングが使われているのかー それなら需要高いのは納得だね
今の世の中、スマートフォンをはじめとする電化製品や、車、工業製品などが、私たちの生活のインフラ的な役割を担っているといっても過言ではありません。また、実際に情報ビジネス社会に必要なソフトウェアやITインフラ自体もC言語で構築されています。



他にもC言語は、さまざまな開発に用いられています。具体例をいくつか紹介しましょう
ウィルスセキュリティソフトなどの情報セキュリティに関わるソフトウェア、通信機器、IP電話を使ったシステム開発、MySQLなどのデータベース管理システム、Nginx、ApacheなどのWEBサーバー関連のソフトウェア……これらもC言語による開発です。また、C言語が苦手としていたGUI(マウスなどを用いてユーザーが直接操作する)を補う拡張版として開発されたC++は、Chromeでも使用されています。
2位:Python



第2位はPythonで127人が使っており回答者の約3割が使用していることになります。



Pythonも聞いたことありますね
Pythonは1991年に開発されたオープンソースで運営されている言語です。読みやすく書きやすいことを前提に作成されたため、1つの特徴として少ないコードで簡潔に書くことができます。機械学習や計算処理などのライブラリーやフレームワークが豊富に用意されており、最近流行りのAIやデータ分析に利用されています。
代表的なフレームワークはDjangoです。
ユーザー認証やサイトマップ作成など標準機能のみならず、SQLインジェクションなどの脆弱性を防止する設計も備えておりセキュリティが高いのも特徴です。



なんだか難しそう



そうでもありませんよ。むしろ、Pythonは他のプログラミング言語よりもコードの数が少ないので、「読みやすくて描きやすい」と言われています



読みやすくて書きやすい。それで需要が高いのは、いいですね
2020年には基本情報技術者試験の出題範囲としてレガシーな言語であるCobolと取って代わり採用されています。日本における需要は、優秀な海外からの人材を取り入れる意味でも高まっています。
3位:Javascript



第3位はJavascript(110人で僅差)です。



Javascriptは、わたしでも聞いたことあるぞー



よく、「HTMLとCSSのあとはJavascript」なんて話を聞きますよね
1995年に誕生してから現在まで、世界的にも圧倒的な人気と需要を誇る言語です。JavascriptはWEBサイト上でのバナー広告の表示や写真のスライドなど、ページに動きをつけるための言語です。
Javascriptは、HTMLで設計した静的なページに複雑な動きを加えることができます。習得すれば、自由にサイト内の表示を動かせるプログラミング言語です。ユーザーの使い心地に直接かかわってくる非常に重要な役割を担っています。



たとえば、GoogleMapでマップを上下に動かす機能や、Lineのトーク画面で過去のメッセージを遡ったりする機能にもJavascriptは使われていますよ
Javascriptは、コーディング用の特別な環境構築が必要ありません。テキストエディタさえあれば、プログラミングができます。また、先に述べたようなフロントとしての機能だけではなく、Node.jsのようにサーバーサイドで動くものもあり、汎用性がとても高いこともJavascriptの人気の理由の1つでしょう。
4位:SQL



第4位はSQL(106人でこちらもほとんど差はなし)です。



SQLは聞いたことないですね



どちらかといえば、裏方のイメージが強いプログラミング言語ですからね。でも、需要が高い言語の1つですよ
SQLはデーターベース(以下DB)を使う開発に欠かせない言語です。DBの管理、操作を行うことができ主にユーザーが指定した条件に合うデータを探し出す役割を果たしています。SQLはどのDBMS(マネジメントシステム)でも使用可能で、DB言語の中で最も普及しています。
あくまでもデータ読み書きを行う言語であり、アプリケーションの作成や操作をする機能は備わっていません。



だから、単体で使用するのではなく、何かしらの言語と組み合わせて使用することがほとんどですね
検索エンジンを活用したキーワード検索システムや、電話番号や住所の検索システムなどDBを使ったサービスは数えきれないほど存在します。また、SQLはビッグデータを処理するインターフェースとしても重要視されています。SQLを扱える人材へのニーズは今後もさらに高まるでしょう。
5位C#



第5位はC#(96人)です。



んん? さっき一位で紹介されてたC言語とは違うの?



名前が似ているのでC言語と混乱されることも多いのですが、C++とJavaを元に作られたのでC言語とはまったく別物ですよ
C#はマイクロソフトが開発したため、もともとはWindows向けのデスクトップアプリケーションとしての用途で使用されるのが目的でした。2014年にオープンソース化されたことでC#の開発環境であるVisualStudioがMacでも使えるようになりました。
AndroidやiOS向けアプリケーションの開発もできるようになり、用途が広がるにつれて需要が高まっています。
ゲーム開発にはUnityが主に使われていますが、そのUnity上でカスタマイズを行う時や高度な開発の際にはC#の出番です。実際に掲載されているUnity関連の求人の中には、C#の知識や経験が必須条件にされているものも少なくありません。
まとめ:プログラミング言語にはそれぞれ向き不向きがある






というわけで、需要の高いプログラミング言語を紹介しました。参考になりましたか?



迷いますねぇ……



迷っちゃうねぇ
需要の高さも大事ですが、すでにやりたいことが決まっているのなら、その目標を達成するための言語を習得するのも良いでしょう。大事なのは、プログラミング言語にはそれぞれ向き不向きがあり、役割が違うことを知ることです。ここで学んだことを、是非プログラミング言語選びに活かしてくださいね。
なお、この記事を作る際にこちらのアンケート結果を引用させていただきました。「日経 xTECH プログラミング言語実態調査」 調査期間 2019年9月26日~10月18日 440人の会員からの回答
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