今日も猫田さんと牛山くんは、勉強をせずに雑談をしています。
そういえば、猫田さんは文系なんですか? 理系なんですか?
どっちかと言ったら文系かなー 数学が苦手だったのよねー
実は、僕も文系なんですよ。なんか……文系の人はプログラミング学習で挫折しやすいみたいな話をよく聞きますよね
え、そうなの?
そんな話をしているとキャニット先生がやってきました。
文系出身者がプログラマーになるのは難しい……なんて話は、たしかによく聞きますね
えー それは困るー
でも、そう言われるってことは何かしらの理由があるんですよね?
では、今回は文系出身の方達のために、文系出身者がプログラミング学習でつまずきやすいポイントを紹介しましょう
文系からプログラマーを目指す際に陥りやすい3つの困難
まず、文系出身者が挫折しやすいポイントを3つ紹介します
- 環境構築
- 細かく理解しようとし過ぎる
- 暗記癖
①:環境構築
環境構築ってなんだっけ?
コードを書き始める前の準備ですよ
プログラミングの実務では、テスト環境を作ったり、複数の環境を使い分けることがよくあります。だから、環境構築ができることは大切です。でも、1行もコードを書かないうちにめんどくさい作業を強いられてしまうと、プログラミング自体への興味を失ってしまう可能性もあります。
順序としては間違っているのかもしれませんが、環境構築を学ぶ前にコードを学んだほうが挫折しにくいですよ
でも、環境構築をしないとコードを書けないんじゃないの?
そこでprogateですよ
②:細かいところまで理解しようし過ぎてしまう
細かいところまで理解しないと先に進めない。このような特徴が、文系出身者からは多く見られるようです。そして、理解しようとし過ぎてしまうのは挫折の原因になるんですよ
何故なら、プログラミング学習はそんなに簡単なものではないからです。たとえば……「=」で右から左に代入するとか「*」を付けるとポインタになるとか、言語ごとに変わる処理や理屈をいきなりきちんと覚えようとしたら、とても大変でしょう。
そんなの適当に「ふーん」で流しておけばいいじゃん
そうなんです。わからない箇所があったら、「なんかよくわからないけど、こういうのもあるのね」くらいの気持ちで先に進めばいいんですよ
えー それだと不安ですよ
牛山くんの気持ちもわかりますよ。でも、不安が消えるまで同じ箇所を学習し続けたら莫大な時間がかかってしまいます。すると「なかなか先に進めない」と考えてしまい、挫折しやすいんですよ
③:暗記しようとしてしまう
暗記しようとしてしまう人にも同じことが言えますね
「プログラミングは暗記科目ではない」と、聞いたことがあります
そうですね。まぁ、何度も使っているコードは自然と覚えてしまうのかもしれませんが、別に覚えていなくても良いんですよ。必要なときにどんなコードが必要なのかだけわかっていれば、あとは調べながらコードを書けば良いです
文系出身の人は、暗記科目が多かったことからコードも暗記しようとしてしまうのかもしれません。でも、コードやメソッドに暗記の意味はありません。熟練のエンジニア達も検索しながらプログラミングをしています。
それでも文系出身のプログラマーが多い理由
それだけ文系に不利な仕事だと、文系出身者がプログラマーになるのは無理なのかなぁ?
いや、けっして文系に不利な職種だとは私は思いませんよ。文系の方の強みを活かせる機会も少なくありません。現に文系出身者でもプログラマーになった人は大勢います。文系出身者でもプログラマーになれる主な理由を、ここで紹介しましょう
①:エンジニアが足りない
まぁ、いちばんの理由は、文系だとか理系だとかの前にそもそもエンジニアの数が足りないんですよ
なるほど。競争率が高くないんですね
近年、日本だけでなく、世界中でIT化が進むにつれエンジニアの需要があがってます。それに対してエンジニアの供給は圧倒的に足りていません。これが理由でどこの企業でも文系理系関係なくとりあえず戦力になる人を探しています。
じゃあ、もう誰でもいいからエンジニアとして雇っているってこと?
さすがにそれはないです。もしもそんなことをしたら、採用コストだけではなく人材育成のためのコストまでかかってしまうでしょう。そこまで余裕のある企業は、今とても少ないですね。ないとは言いませんが……
②:多くの言語は数学的知識を必要としない
数学的な知識も、意外とそこまで必要ではないんですよ
もちろん、AIのような分野では数学的知識が必要とされます。そのため、文系出身者がいきなりAIの分野に手を出すのは難しいです。
でも、RubyやPHPのようなプログラミング言語ならば、ほとんど数学の知識は必要としません。プログラミング=理系ではないんですよ。
また、今はプログラミングを学べる環境が非常に整っています。ですから、文系出身者がどうしてもAIの分野で仕事をしたいのなら、プログラミングスクールのAIコースで学べば良いだけです。どんな専門分野でも学ぼうと思えば学べる。プログラミングを学ぶことに関しては、本当にいい時代ですよ。
③:文系ならではの強みを活かせることも多い
プログラミングの分野で、文系の強みを活かせることもあります。たとえば、コミュニケーション能力の高さですね
「文系だからコミュニケーション能力が高い」と考えるのはいささか乱暴かもしれません。しかし、一般的には理系の人よりも文系の人のほうがコミュニケーション能力に優れていると言われています。開発現場では、プロジェクトごとにチームを組んで開発を行うことも多いので、コミュニケーション能力は非常に重要です。
また、実際にシステムを使うユーザーと関わるときも、文系特有のコミュニケーション能力が求められる場面が多いです。
プログラマーに向いている文系出身者の特徴
最後に、文系の中でもどのような人がプログラミングに向いているのか見ていきましょう
①:モノづくりが好きな人
仕様や設計に従ってプログラムを組み、1つの大きな形を作り上げていく。それがプログラマの仕事の本質です。
だから、モノづくりが好きな人、自分が作ったものが形になるのが嬉しい人、ユーザの喜びを自分の喜びのように感じられる人は、プログラマーに向いています。
②:新しいものが好きな人
プログラミングに限らず、ITの世界は日進月歩。昨日のスタンダードは今日の時代遅れになることもあります。変化を好まない人もいますが、「安定よりも常に最新を求めたい」と考える人もいるでしょう。後者の考え方ができる人は、プログラマーにピッタリです。
③:粘り強く、冷静でいられる人
プログラミングは限られた人のみが継承できる伝統工芸のようなものではありません。時間をかけて、勉強の仕方さえ間違えなければ、あとは地道な努力で何とかなるもの。 よって、脇見をせずに粘り強く続けられる人や、細かい点にいちいち動じずに冷静でいられる人が、プログラマーに向いています。
文系出身者がプログラミングを学ぶときに挫折しやすいポイント:まとめ
結局のところ、文系出身者でもそこまで大きなハンデはありません。ただし、勉強方法は考えたほうがいいですよ
文系の人のほうが「挫折しやすい勉強方法」を選びやすいってことですね
その点、わたしは大丈夫そうでよかったー
挫折しにくい学び方がわかったのですから、二人とも雑談ばかりしていないで、もっとコードを書いていきましょうね
はーい