これまでのノーコードツールの解説でECサイトを作れるShopifyの紹介もしてきました。そこで猫田さんは何か思いついたようです。

こないだShopifyの説明でちらっと聞いたんだけど、BASEは日本製で、しかも個人向けなの?

BASEは完全な日本製ですし、小規模な販売に向いていますね

ぜひ紹介してください! 英語必要ないほうが絶対にいいので

わかりました。これまで紹介してきたノーコードツールは海外製ばかりでしたし、ここで日本製を紹介するもの良いでしょう

猫田さんネットショップ始める気満々ですね……
猫田さんは何やら企んでいるようですが、今回は日本製のノーコードツール「BASE」について解説します。
初心者でも簡単にわかる:BASEの基本


まずは、BASEがどんなものか説明しますね
①:BASEとは
BASEは、コードを書かずに構築できるネットショップ型のサイトを制作できるツールです。日本のベンチャー企業BASE株式会社が運営しており、数少ない国産型のノーコードツールです。
2012年にサービスが開始され、2021年にショップ数は140万店舗を超えました。 「誰でも簡単に、30秒でネットショップが作るサービス」をキャッチコピーにサービスを展開しています。
②:BASEの料金
BASEは登録料(初期費用)や月額・年間料金は一切かかりません。完全無料でネットショップ構築・公開できます。

他のノーコードツールは最初は無料でもプランによっては有料になったりしますが、BASEはすべて無料です

じゃあBASEを運営している会社はどうやって利益を得ているんですか?
初期費用も月額費用も全て無料の理由は、「商品が売れたとき」と「売上金を振り込むとき」に手数料を取るシステムだからです。
③:Shopifyとの違い
ShopifyはBASEと異なり、無料プランはありません。Shopifyは月額費用として最低でも29ドルが必要となります。

じゃあBASE一択じゃないか!

……前回の講義を忘れてしまってますね……。たしかShopifyのほうが売れた時の手数料が安いんですよね
牛山くんの言うようにShopifyは月額費用がかかりますが、その分手数料が安いです。

比較するとこんな感じです
BASE | Shopify | |
初期費用 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 無料 | 29~299ドル |
手数料 | 6.6% + 40円 | 3.25~3.9% |
入金サイクル | 申請から10営業日(手数料1.5%のお急ぎ振込で翌営業日) | 金曜日に入金 |
入金手数料 | 2万円未満:750円(事務手数料500円含)2万円以上:250円 | 無料 |
BASEで何ができる?


BASEではこんなことができますよ
BASEで、できることのまとめ
・レビュー機能がある
・メルマガを発行できる
・クーポンを発行できる
・一通りの決済ができる(クレジットはもちろん、QRコードも可)
・送料の詳細設定ができる
・特定の人にのみ販売することができる
・定期便販売ができる
・SNS各種と連携して販売することができる
・Google Analyticsと連携できる
・ショップのロゴを作ることができる

送料については追跡機能のオプションをつけたり、何円以上買ったら無料といった細かい設定ができますよ

ネットショップに必要なものはひと通り揃っている感じですね
BASEのメリット


BASEにはこんなメリットがありますよ
とにかく簡単
BASEは「30秒で作れる」という謳い文句の通り、3つの項目(メールアドレス・パスワード・好きなURLアドレス)を入力するだけで、ひとまずショップを立ち上げることができます。

これを自分で1から作ろうと思ったら開発環境を整えて、コーディングをして、サーバーのレンタル手続きをする必要があるわけです

プログラミングを勉強しているのが馬鹿らしくなるレベルですね

ものすごいこと言ってますね
テンプレートが安くて多い
BASEにはサイトを作るためのテンプレートが用意されています。無料で11種類ほどあり、有料は50種類ほどあります。有料テンプレートは5,000円から13,000円ほどの価格なっており、Shopifyの有料テンプレートよりも安くなっています。
BASEのAPPが魅力的
BASEには多数の強力なAPPを連携することができます。たとえばクラウド会計ソフト 「freee」を使えば、会計帳簿への転記作業をなくすことも可能です。
完全日本語で安心
ノーコードツールの多くは海外製ですが、BASEは日本製です。APPも日本製のものが使えます。当然サポートも日本語で受けられます。
BASEのデメリット


それでは反対に、デメリットはこんな感じです
電話でのサポートは無い
BASEのサポートはメール、もしくはチャット(平日13〜18時のみ)のみです。電話でのサポートは行なっていません。

んー、せっかく日本語でやりとりできるのに残念……チャットも平日だけかー
手数料が高い
BASEの手数料は決して安くはありません。
- BASE簡単決済手数料:3.3% + 40円
- サービス利用料:3%
どちらも売れた商品の送料込みの合計金額に対して発生します。たとえば送料込みで1,000円の商品が売れたとしましょう。すると……
- BASE簡単決済手数料:1,000円 × 3.6% + 40円 = 76円
- サービス利用料:1,000円 × 3% = 30円
- 手数料を引いた売上:1,000円 – (76円 + 30円) = 894円
これが送料込みで10,000円の商品が売れたとすると……
- BASE簡単決済手数料:10,000円 × 3.6% + 40円 = 400円
- サービス利用料:10,000円× 3% = 300円
- 手数料を引いた売上:10,000円 – (400円 + 300円) = 9,300円
ここからさらに、売上を引き出すために、振込申請として250円の手数料が発生し、振り込み申請金額が2万円以下の場合だと事務手数料として別途500円が発生します。

まさにあるところからぶんどっていく構造……

手数料の負担が大きいと感じるなら、Shopifyなど他のツールを検討ですね
集客力が弱い
これは他のネットショップ制作ツール含めて言えることですが、Amazonや楽天など、すでに人が集まっているプラットフォームを使って商品を売るときと違い、独自のネットショップを立ち上げて売りたい場合は、自分で集客をしなければ売れません。

BASEにはSEO対策ができる設定が付いていますが、設定項目が少なく、完全とは言い難いです。商品名や商品説明をできるだけ充実させる必要があります
SEO:Serch Engine Optimazation,検索エンジン最適化:検索エンジンからサイトに訪れる人を増やすことで、検索ユーザーに良質なコンテンツや体験を提供することで、検索エンジンからの評価を得ること。
具体的には特定のキーワードで検索された場合の検索結果で、自分のサイトのページを上位に表示させるように、ページやサイト、さらにサイト外の要因を調整することが多い。

ちなみにプログラミングを使ってサイトが作れると、このSEOを最適化できるというメリットもありますよ

なるほどー、集客の面においてもプログラミングは絡んでくるわけですかー

結局、プログラミングに戻ってくるのか……
BASEでノーコード開発を始める方法


では、BASEを用いたノーコードでの開発の始め方を、実際の画面に沿って解説しましょう
①:アカウント登録手順
まずは公式HPにアクセスします。
メールアドレス、パスワード、ショップURLを決めて入力しましょう
誓約書に同意します。
先ほど入力したメールアドレスのメールボックスを確認し、アカウントメールを認証します。
メールアドレスを認証してはじめるをクリックすると、運営に関する情報を入力するよう催促されますが、後回しにしてもサイト制作を始めることはできます。

これだけでサイト製作を始めることができます。あっという間ですね
②:BASEの主なメニュー、画面構成
サイト製作と管理は上部に並んでいるツールバーから選んで作業をしていけば良いだけです。たとえば、商品管理をクリックしてみましょう。商品画像、商品説明、値段、税率、在庫数、表示位置などを設定することができます。
案内にしたがって入力して行くだけなので非常に簡単です。デザインをクリックしてみましょう。
これも非常に簡単な作りになっていて、テンプレートからテーマを選んだり、文字やテキスト、ボタンを追加したければ「パーツ」からドラックアンドドロップで簡単に作っていくことができます。ここでは、「パーツ」をクリックしてみました。
ドラックアンドドロップで選んでいくだけです。
その他にもショップロゴをつけたり、ナビゲーション(ヘッダー)の項目を増やしたり、フォント、背景の設定も変えることができます。

これなら、わたしでもできそう

もっと自分好みにカスタマイズがしたいときはどうすればいいんですか?

実は、BASE内でコーディングもできます
先ほどAPPを追加できると言いましたが、HTML編集というAPPをインストールすると可能となります。ツールバーにAPPSという項目があるのでそこからアクセスしてインストールするだけです。
BASEの学習方法


最後にBASEを使いこなすための学習方法を紹介しましょう。BASEの学習方法は動画と書籍の2つがあります。もちろん、どちらも日本語ですよ
BASEの学習方法①:公式のYouTube動画
YouTubeにはBASEの公式チャンネルがあり、そちらでBASEの概要から使い方を一通り見ることができます。チャンネルはこちらです。
BASEの学習方法②:公式の書籍
まとまった情報が欲しいという方は公式からの書籍『BASE 120%活用術』が出版されていますので、そちらを参考にすると良いでしょう。

公式が動画と書籍両方出してくれているから心配ないね!
日本発のノーコードBASEの紹介:まとめ

というわけで、今回はBASEを紹介しました。

日本製というだけでテンション上がるけど、デメリットもちょいちょいあるんだよね

自分の商品の売り方によって、使うツールをきちんと選ばないとダメですね

誰でも簡単にショップが作れてしまうのは、大きな魅力だと思いますよ。宣伝文句の「30秒で作れるネットショップ」もあながち嘘ではありません
株式会社BASEは東証マザーズに上場しており、信頼のおける安心なノーコードツールと言えます。今後も国産のノーコードツールに期待です。