前回、Googleが提供しているAppsheetについて解説しました。今回はGoogleと双璧をなすAmazonが提供しているAmazonHoneycodeついて、キャニット先生が解説してくれるようですよ。

Amazonってショッピングするとこじゃないの?

Amazonはそれだけじゃないですよ。いまや巨大IT企業として、AWSというウェブサービスも提供していますよ

そんなAmazonもノーコードツールに名乗りをあげているわけですね
というわけで、今回はノーコードツール「Amazon Honeycode」について解説します。
初心者でも簡単にわかる:Amazon Honeycodeの基本


まずは、Amazon Honeycodeがどんなものなのか解説しますね
①:Amazon Honeycodeとは
Amazon Honeycodeは2020年6月にAWSから発表されたノーコードツールです。ソースコードを書かずに、モバイルアプリやウェブアプリの構築の支援を目的としています。したがって、プログラミングのスキルは必要ありません。
Amazon Honeycodeは、以下の3つを使用して、手軽に開発をすることができます。
- スプレッドシート形式のデータベース「テーブル」
- アプリ画面を組み立てる「ビルダー」
- データ操作や通知の自動化を行う「オートメーション」

ノーコードツールのデータベース管理の仕方はさまざまですが、Amazon Honeycodeではスプレッドシートで管理することができますよ
YouTubeに簡単な紹介動画があるので、参考にするといいでしょう。百聞は一見に如かずです。URLはこちらです。

動画がかっこいい!

日本語字幕も出るのはいいですね
②:Amazon Honeycodeの料金

でも、お高いんでしょう?

ご安心ください、奥様! 有料版もありますが、Amazon Honeycodeの基本的なサービスに関しては無料です!

久しぶりにこの通販番組みました
Amazon Honeycode:無料版と有料版の違い
最新情報は、公式HPで確認することができます。

英語で何がなんだかさっぱりです

無料ではどういった制約があるのでしょう?

一言でいうと、無料版は共有できる人数とデータベースが使える行数が限られています
Amazon Honeycodeで何ができる?

Amazon Honeycodeで、できることを説明しますね
どんなアプリがつくれるのか
Amazon Honeycodeでは、たとえばこんなアプリを作ることができます。
- 顧客関係管理(CRM)
- To-doリスト
- 在庫管理システム
- 在庫追跡
- イベントスケジューリング
- シフトの入力
- 棚卸時のデータ入力
- 出社管理

在庫管理システムを使いこなせれば、エンジニアがいない企業や飲食店では重宝すると思いますよ
テンプレート機能が利用できる
Amazon Honeycodeではすぐに使えるアプリケーションのテンプレートが用意されています。搭載されているテンプレートはこんな感じです。
よく使われるアプリが一通り入っています。
作成したアプリはチーム内で共有できる
作成したアプリは20人までは無料で共有できます。たとえば、To-Doリストなどを少人数で使うといったことが気軽にできます。またその際、「Owner」、「Collaborator」、「app user」といったかたちでアプリを使うだけか、編集もできるようにするのかといった管理者権限を付与することができます。
Amazon Honeycodeのメリット


Amazon Honeycodeにはこんなメリットがありますよ
データベース構築が不要
データがスプレッドシートで完結するため、通常のアプリ開発で必要とされるMySQLといったデータベースを構築する必要がありません。
保守性が高い
ビルダーとテーブルが連携されていて、どちらかを変更した際にはもう片方にも反映されます。保守性の高い開発ができます。
スマートフォンからも使用できる
Amazon HoneycodeのアプリをAppStoreからダウンロードすることができます。

実は、スマートフォンから開発・使用できるノーコードツールはあまりないんですよ
IT転職に役立つ

Amazon Honeycodeをはじめとするノーコードのスキルを学べば、IT業界に転職する際に役立ちます。「未経験からのIT業界への転職は難しい」と考えている方も多いようですが、けっしてチャンスがないわけではありません。とくに特定のスキルを持っている方なら、好条件でIT業界に転職できる可能性もあります。
まだITスキルがない方でもWorxのようなITスキルを学びながら転職支援してくれる新しいサービスを利用すれば、転職のチャンスは広がります。IT業界への転職を「未経験だから」の理由で諦めないでください。Worxに関して詳しく知りたい方はこちら
Amazon Honeycodeのデメリット


反対にデメリットはこんな感じです
見た目にはこだわれない
ビルダー(アプリの見た目を開発する画面)に入ればすぐにわかりますが、JavaScriptで組むようなアニメーションを作ることができず、UIに関しては乏しい印象を受けます。Amazon Honeycodeについては現時点では自分好みのデザインにすることは難しいようです。
英語のみでの提供
操作画面、ドキュメントは全て英語です。英語が苦手な方は、Google翻訳を駆使しながら進めるしかありません。
日本語での学習方法があまり無い

ここで悲報です。まだ提供が開始されたばかりということもあり、2021年6月時点では日本語で学習する方法があまり無いんです

あああああああ、それはだめだー

今後に期待ですね
Amazon Honeycodeでノーコード開発を始める方法


では、Amazon Honeycodeを用いたノーコードでの開発の始め方を、実際の画面に沿って解説しましょう
①:アカウント登録手順
まずは公式HPにアクセスします。
必要事項を入力して登録作業を行います。Create passwordでは小文字、大文字、数字の他に#,&,%といった特殊文字も必要です。
登録したメールアドレスにメールが届くので確認します。
メールボックスに届いたメールからConfirm nowをクリックします。
Continue to loginをクリックします。再度メールアドレスとパスワードの入力を求められるので入力します。
開発画面にたどり着きました。3つのアンケートに答え、最後まで読んでNextを押せば完了です。

これで開発ができるようになりました

早いですね
②:Amazon Honeycodeの主なメニュー、画面構成
開発画面に入りました。右上のCreate workbookから開発が開始できます。

ここでStart from scratchで空白から始めるか、Import CSV to tableでスプレッドシートを読み込ませて始めるか、USE A TEMPLATEからテンプレートを選んで始めるか選ぶことができます。ちなみに今回はSimple To-Doを選んでみました。
アプリの名前とどのチームで共有するか選択します。
はじめに、チュートリアルを簡単に受けることができます。
開発できるようになりました。左のバーに上から3つアイコンが並んでいますが、これが上から「テーブル」「ビルダー」「オートメーション」となります。
- スプレッドシート形式のデータベース「テーブル」
- アプリ画面を組み立てる「ビルダー」
- データ操作や通知の自動化を行う「オートメーション」

この画面はデータを保有しているテーブルですね
テーブルのアイコンをクリックするとデータが格納されているシートの一覧を見ることができます。ビルダーをクリックしてみましょう。
アプリの見た目を開発する画面ですね。基本的にドラックアンドドロップで開発を進めることができます。Mobileでの見た目とWebの見た目もワンクリックで切り替えることができますね。

んー、見た目に関してはAdaloのほうが好きかな

こうして色々なノーコードツールを触ってみると、それぞれの良さがわかってきて面白いですね
最後にオートメーションです。このSimple To-Doには時間になったら指定のアドレスに自動でメールを送る設定が組まれています。
メール通知の他にも行の追加・削除、上書きなどがあります。このあたりの組み方はコードを書く必要はありませんが、条件分岐が採用されており、ややプログラミング的な考え方が必要です。
Amazon Honeycodeの学習方法


それではAmazon Honeycodeの学習方法です
Amazon Honeycodeの学習方法
先述の通り、Amazon Honeycodeはサービスの提供が始まったばかりということもあり、他のノーコードツールと比べると、日本語での学習手段が乏しいです。
基本的にはAWSJというウェブマガジンを頼りに学習していくことになります。用語を説明しているサイトもあるので、一度チェックするとより使いこなせるようになるでしょう。また、英語でも大丈夫な方はUdemyやYouTubeに解説している動画がたくさんあるので探してみると良いです。

エンジニアの方であれば、ツールを触ってみことで直感的に理解できると思います。でも、そうではない方は、せめてほかのノーコードツールに慣れていないと苦しいかもしれません

んー、誰でも使えるツールを目指しているけれど、現時点ではそういうわけでもないんですね
CANITではほかのノーコードツールについても触れていますので、ぜひご覧ください
Amazon Honycode:まとめ


以上で、Amazon Honeycodeの紹介はおしまいです

ノーコードツールもいろいろありますよね
2021年6月現在Honeycodeはβ版が提供されています。AWSが提供する公式のコミュニティでは、ユーザーとAWSの開発者の間で活発なコミュニケーションが行われていることもあって、今後大幅なアップデートが見込まれます。
AmazonやGoogleといった巨大IT企業も開発を進めていることもあって、ノーコードツールを取り巻く環境は2021年以降もさらなる盛り上がりをみせることでしょう。